母は去年、脳梗塞で倒れました。 元気に走りまわり、バリバリ働いていたのに突然のことでした。 3か月の入院のあと、帰って来た母は、片麻痺で左手左足がまったく使えなくなっていました。 倒れる前までは前向きで明るく、活動的な母だったのに、体が不自由になるとすべてが億劫になってしまったようで、 「私は何もできなくなってしまった」 と、すっかり気落ちした様子でした。 毎日毎日することもなく、一日中テレビを見てぼんやりして過ごすばかりです。 仕事を失い、動くこともできず、家事も私がすべてやっているので、母は本当にするべきことが何もない状態でした。 そうこうするうちに母の日がやってきました。 私はカーネーションの花束と一緒に、片手で使える洗濯ピンチ「いちどにありがとう」を母に贈りました。