アスリートを差し置いて登場した“安倍マリオ”が話題をさらったリオオリンピック閉会式。本サイトでは昨日、この演出を安倍首相の政治利用とグロテスクな国威発揚だと批判したが、じつはもうひとつ、閉会式では気になる“事件”が起こっていた。 それは、オリンピック旗を引き継ぐフラッグハンドオーバーのシーンで流されていた音楽についてだ。 このとき流されたのは、椎名林檎の「望遠鏡の外の景色」という楽曲で、野田秀樹演出の舞台『エッグ』のために書き下ろされた一曲。今回、椎名は東京のパフォーマンスにクリエイティブスーパーバイザーとして参加していたため、自身の楽曲のなかからこれをチョイスしたと思われるが、「まさか、よりにもよって五輪で使う?」と疑問の声がネット上では広がった。 というのも、『エッグ』という舞台は、1940年の幻の東京オリンピックを戦争とナショナリズム発動の装置として批判的に描いた内容だっただからだ。