文楽を観るようになって一年が経った。 文楽が何かもわからず思いつきでチケットを取ったのが一年前の2月東京公演第三部『義経千本桜』。古典芸能の素養があるわけでもなく、最初にチケットを取った時点で知っていたのは「人形が動く」「義太夫節という語りですべての話を進めている」という2点だけだった。 さて、ちくまプリマー新書の中に、中川右介『歌舞伎一年生』という新書がある。「歌舞伎っていうものがあるのは知っているが、観に行ったことはない。いっぺん観たほうがいいかも?」と思っている方にとても良い、きわめて平易な入門書だ。この本が他の入門書とどう違うかというと、「チケットは具体的にどうやって買うのか。いくらなのか。どの席がいいのか。良い席はどうやれば取れるのか」といった具体的な実践知識と、良い意味で著者の個人的な感想にのみ絞って書かれていることで、歌舞伎の知識のない私にも楽しく読めた。こういう本が文楽にも
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