peatのブックマーク (57)

  • 文楽一年生 - TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

    文楽を観るようになって一年が経った。 文楽が何かもわからず思いつきでチケットを取ったのが一年前の2月東京公演第三部『義経千桜』。古典芸能の素養があるわけでもなく、最初にチケットを取った時点で知っていたのは「人形が動く」「義太夫節という語りですべての話を進めている」という2点だけだった。 さて、ちくまプリマー新書の中に、中川右介『歌舞伎一年生』という新書がある。「歌舞伎っていうものがあるのは知っているが、観に行ったことはない。いっぺん観たほうがいいかも?」と思っている方にとても良い、きわめて平易な入門書だ。このが他の入門書とどう違うかというと、「チケットは具体的にどうやって買うのか。いくらなのか。どの席がいいのか。良い席はどうやれば取れるのか」といった具体的な実践知識と、良い意味で著者の個人的な感想にのみ絞って書かれていることで、歌舞伎の知識のない私にも楽しく読めた。こういうが文楽にも

    文楽一年生 - TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹
    peat
    peat 2021/07/12
    行くとなったらいろいろ調べたいよねと検索してあたったブログがものすごく読み応えがあって、早くも楽しみMAXになってきた。ありがたい。こういうブログって本当に、目に見えないところで色んな人を助けていると思う
  • ラブホ行こうよ - 傘をひらいて、空を

    疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。それでしばらくおとなしく暮らしていたところ、彼氏が「ラブホ行こうよ」と言うのだった。 こいつだいじょうぶかとわたしは思った。一緒に暮らしてる人間とラブホ行ってどうすんだ。ベッドなら家にもある。それぞれが一人暮らしのころに使っていたベッドを持ち寄ったのでそこいらのホテルのよりでかい。ネトフリの見たいものリストはまだ長いし、switchも買った。最近は近所の銭湯に行くのがこの家のブームでもある。セックスだってしているじゃないか。奇抜な設備を別にすれば、ラブホにしかないものなんかないだろう。 ある、と彼は言い張るのである。行きがけにコンビニに入ってテンション上がってあれこれ買って結局残しちゃったりとか、女の子がシャワーを浴びてるあいだそわそわしながら待ってたりとか、なんとなく寝ないでぼつぼつ話したりとか、窓がないもんだから朝ぜ

    ラブホ行こうよ - 傘をひらいて、空を
    peat
    peat 2021/02/09
    いい、すごくいい。マキノさんはずっと「疫病が流行しているので」からはじまるテキストを書き続けていらっしゃるけれど、その中でも相当好き。軽薄な自由。最後の一文がまた、しびれる!
  • だが、今日ではない - 常に半ドア。

    春は芽吹き時という。 私はその時期が近付くと、職場の人間関係が変わるわけでもないのに(そもそもフリーランスで在宅勤務だ)、具合が悪くなる。花粉症はデフォルトだが、消化器系の調子が芳しくなくなるし、思考も後ろ向きになる。眩暈はほぼ慢性的なものだが、精神の不調と相まって体調がコロコロ変わる。 もう10年近くこの状態なのだが、これは一般に自律神経失調症と呼ばれる。それが春に領発揮するのである。 だから春はあまり好きではない。けれど、私が眩暈でグラグラしている時に、周りの人が楽しそうにしているのを妬む趣味はない。 いやむしろ、大いに楽しんで欲しい、とこの春は特に思った。 私の体調がザワザワするのはいつものことなのでまあ良い。だが、世間はザワザワして欲しくない。勝手な話だが、音だ。 それにこの春は私個人の事情も重なった。数日の入院を要する手術を受けることになっていた。命に関わることではなく、QO

    だが、今日ではない - 常に半ドア。
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    peat 2020/04/25
    うん、うん、と頷きながら読む。/”しかしこれは敗北宣言ではない。もうダメだ、と思ってからが本番みたいなハリウッドのアクション映画みたいに、とんでもなく粘りたい。”
  • 歴史と交わるということ、あるバンドの「甘美な挫折」に寄せて - 朝焼けエイトビート

    永井純一(2019)「第7章 フジロック、洋邦の対峙」書評(『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか』,南田勝也編著,花伝社,pp.210-243) 1997年7月26日、2人のオーディエンスの経験 私が初めてザ・イエローモンキーのライブを見たのは、1997年7月26日のフジ・ロック・フェスティバルだった。当時まだこのバンドのファンではなかったけれど、大雨をかろうじてしのいでいたテントに知人2人を残して、雨降り止まぬ「地獄絵図」のような野外のステージに一人で向かったのは、イエローモンキーのライブを見たいと思ったからだった。「“悲しきASIAN BOY”が聞けたらいいな」ぐらいの軽い気持ちだった。私はこの日のライブを見てこのバンドのファンになったわけではなかった。この日のライブはその悪天候ゆえに私にとって「音楽を聞く」とか「ライブを見る」という体験にはなり得なかった。「見た」のではなく、その日

    歴史と交わるということ、あるバンドの「甘美な挫折」に寄せて - 朝焼けエイトビート
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    peat 2019/05/14
    「挑戦のないところに失敗はなく、冒険のないところに挫折はないとするならば、その姿には挑戦し、冒険する者だけが許される美しさもまたあったのだろう」/何度でも読み返したい、すばらしいテキスト…!
  • そこから奏でまSHOW! Vol.2 - 日々ノコレ。

    peat
    peat 2018/11/25
    Ry @ryshp さんの「そこから奏でまshow!」のレポが最高。注釈含めて全行面白い。もはや息の音でしかない安全地帯聴きたすぎるし民生のヨヨイヨイの現場目撃したかった。手ごたえに気をよくしてぜひ第3弾開催してください
  • 8月納涼歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」その3/ずっと前から独りきり、桜の森で待っていた - 迷羊備忘録

    おはようございます。 私のブログにしては異常に閲覧数上がってて急に不安になったので、続きを書く前に前書きさせてください(インターネッツが自分の庭じゃないと気付いた)。 最初にも書きましたが、私はドが付く歌舞伎の素人なので(初回に観た時、エナコ役の中村芝のぶさんをガチで女性だと思っていた)そのあたりの知識は皆無です。なので、オヤと思うことがあったらご教授いただけると非常にうれしいです。特に不安なのが人名役名よ…間違っていたら教えて… これも書いたのですが、野田さんの作品を観るのも初めて、ていうか観劇もほぼしたことないミリしら野郎でその辺の知識が皆無なので、オヤと思うことがあったら(以下略) しょせん学生の修論レベルですから坂口安吾についての知識もたかが知れています。貼ってあるリンクは、私が言ってることがここに書いてあるぜ!というよりは、これを私はこう解釈してるけど君はどう?という意味なので、

    8月納涼歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」その3/ずっと前から独りきり、桜の森で待っていた - 迷羊備忘録
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    peat 2017/11/27
  • 処女航海は今日も荒波! - 私の時代は終わった。

    こんにちは、ファンキーじゃない方の加藤です。 明けてます。 明けきってます。 2017年です。2月です。 いや、待って。 まず2016年の話してもいい? あのね、私にもあったはずなんです。2016年が。 去年、電撃結婚された方々や、惜しまれきって解散した方々や、不倫を超暴かれた方々と同様。多分、同じ日数くらいの2016年があったはずなんです。 もう画素が荒いよ。 2016年の作りが、すごい粗削り。 思い出のクオリティーがね、低い。 たとえば、中居正広の2016年とかね、もうVR状態ですよ。 あれ、これ触れんじゃないかってくらいの臨場感だったわけなんですけど、 かたや、こっちサイド、紙芝居かなってくらいでね、5回くらい捲ったらね、2016年が終わったわけです。 もう、出会いもなければ別れもない。 オンラインゲームですら、協力プレーするこの時代に、 36年もこの東京というフィールドいっぱい さ

    処女航海は今日も荒波! - 私の時代は終わった。
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    peat 2017/02/13
    ブオーブオー(法螺貝)はいね先生の新作だぞー!"私の股間の矢口が、36年だれとも鉢合わせしてない方の矢口が、「諦めず最後までこの国を見捨てずにやろう」つってる。"相変わらず素晴らしいキレ味!
  • オッケー、キリスト。ところで、あたしの誕生日の話も聞いとく? - 私の時代は終わった。

    ハッピーバースデイ、キリスト。 キリストってあれだね、誕生日がクリスマスなんだね。 誕生会がうやむやになるアレね。 あ、違うの? キリストが生まれたから、クリスマスになったの?まじで? 生まれて35年。 ほんとキリストじゃなくて良かったと思う。 自分の誕生日がクリスマスになるとか、もうね。 プレッシャーすごい。 一応ね、私もちょっとした10月が誕生日だったわけなんですけど。 もー繰り越したい。 携帯料金のように、使ってない誕生日は繰り越したい。 なんだかんだで35回目なわけですよ。 正直ね、予定がない。そうそう35回も、予定入れらんない。 家庭もなければ、彼氏もいない。 待ち人なんてね、来たためしないわけです。 いやね、諦めてない。 来るの、きっと来る。 あの貞子だって、なんだかんだで、もう5回くらい来てるわけですから、 35年待ちに待った白馬の王子だってね、もうそこのタバコ屋の角まで来て

    オッケー、キリスト。ところで、あたしの誕生日の話も聞いとく? - 私の時代は終わった。
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    peat 2015/12/25
    メリークリスマシ!よい子のみんなにはいねさんが新作をプレゼントしてくれたよ!ぜったいに、電車の中では、読んじゃダメだぞ!
  • フラワーカンパニーズ「フラカンの日本武道館〜生きてて良かった、そんな夜はココだ!〜」(2015/12/19 日本武道館) - 朝焼けエイトビート

    まさに、「生きてて良かった」という思いを日武道館を埋めた9000人が分かち合った、そんな夜だった。生きてて良かった、フラカンを好きで良かった、今日この日のライブを観ることができて、当に良かった。 怒髪天による「フラカン応援歌」が鳴り響いた後、おなじみの出囃子のSEとともにメンバーがステージに登場した瞬間、そして1曲目“消えぞこない”が始まった瞬間、「うわぁ〜」とこみ上げてくるものがあった。それはなんとも言えず明るくすがすがしい感情でもあった。 ライブが始まった瞬間に泣いたのは、2008年2月10日の同じく日武道館での「忌野清郎完全復活祭」以来だった。けれど、そんな「フラカンがついに武道館に!」という感激は、セットリストが進むにつれて、単純にフラカンの曲と演奏の良さ、つまりライブの凄さに対する感動に取って変わっていった。フラカンのファンである自分自身を誇らしく思えるほどの「当にフラカ

    フラワーカンパニーズ「フラカンの日本武道館〜生きてて良かった、そんな夜はココだ!〜」(2015/12/19 日本武道館) - 朝焼けエイトビート
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    peat 2015/12/21
    いつもながらすばらしいテキスト。/「CDの売り上げやライブの動員という数では表せない、長い時間の中でしか育まれない友情や尊敬や信頼という目に見えないものをフラカンのロックンロールを通して経験できた」
  • 魂のよもぎ蒸し! - 私の時代は終わった。

    映画「進撃の巨人」を、あんまり凄くなかったって言う女子たちがいるわけです。 3Dメガネ1つで、あんなに巨人たちがワラワラ飛び出してくるっつーのに! 私なんて、眼鏡なくてもめちゃめちゃ3Dで生きてるわけです。 間違いなく3Dの独身女子なわけです。触れます。語れます。 なのにもう、あれほど進撃するって口酸っぱく言ってた巨人が、さっぱり壁を越えてこず、早34年。 私の下半身のウォール・マリアが、全然突破されない。 傷一つない。 安保もなければチンポもない。待てど暮らせど脅威がない。 ああ、平和すぎて瀕死。 陰部が隠居するレベルで。 雨ざらしの股間が、中野の中心で叫んでますよ。 「巨人さまはいらっしゃいませんかー?誰か巨人さまはいらっしゃいませんかー?」 なんだろ。 好かれなさすぎない? 私のまわりの女子たちが、「キャッキャッウフフ」言いながら、まあいわゆる捕されていく中、驚くほどの、この無事。

    魂のよもぎ蒸し! - 私の時代は終わった。
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    peat 2015/09/28
    約9ヶ月ぶりのはいねさん新作!おもわず「ヨモギ蒸し」で画像検索しちゃったぜ!
  • 人の宮殿を笑うなっ! - 私の時代は終わった。

    ───今日のベルサイユは大変な人ですこと  byマリー・アントワネット 33歳処女なんですが、屋さんで少女漫画を見ていたら、 あらすじに思いっきり「33歳処女のハナエ(主人公)が」みたいに書いてある漫画があって、 もう、買います!つってね、全巻買います!つってね。 で、そのの題名が『きょうは会社休みます』だったんで、 もう、わかる!わかるよー!私もできればお休みいただきたい!つって、 泣きながらを抱えて帰ってきて、 で、1巻の1話目の数ページにして、主人公が処女じゃなくなってた衝撃ね。 嘘でしょ・・ハナエ・・。つってね。 あと、私の目が・・確かなら・・もう2,3巻あたりでは、イケメン大学生とエリートリーマンに、・・ハナエ、取り合われてない? ええ、ええ、そうですね。 もう、いっそね、清々しい。 マラソン一緒にゴールしようね、って微笑みあった友達が、横見たらクラウチングスタートしてた時

    人の宮殿を笑うなっ! - 私の時代は終わった。
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    peat 2014/09/10
    「ハンハンハンハンチンギスハーン」「私の股間の妖怪ウォッチ」「よろしい,ならば宮殿だ」はいねさんに抱かれたい!
  • SPTZ THE GREAT JAMBOREE 2014“FESTIVARENA”(2014/07/09 武道館) - 朝焼けエイトビート

    スピッツが武道館によく似合っていたというよりも、武道館がスピッツによく似合っていた――そんなふうに感じたライブだった。スピッツというバンドの存在感、その不思議さと大きさを改めて感じたライブだった。 客席の照明が落ち武道館の会場に観客が身に付けたビンズのライトが星空のように浮かび上がった。赤や青の小さな光が暗闇の中に点在しながら、ひとつの美しい絵になる様は、とてもスピッツらしいと思った。 バンド結成27年目で迎えた初めての武道館公演は、「ロックバンドと武道館」という化学式に期待される化学反応をするりとかわして、薄暗い物憂げなメロディの“夜を駆ける”で、水面に静かな波を起こすように始まった。そして、これ以降のセットリストが実に「スピッツらしい」セットリストだった。シングル6曲を含めてこれまでのアルバムからほぼ万遍なくピックアップしつつも、会場を埋めたファンにとって「誰もが愛する曲」という以上に

    SPTZ THE GREAT JAMBOREE 2014“FESTIVARENA”(2014/07/09 武道館) - 朝焼けエイトビート
    peat
    peat 2014/07/15
    まさに、まさに、まさにこれ!(リンク先セトリバレあります)/「バンドの、アーティスト個人の物語が、曲のなかの「僕」と「君」の物語をかき消すことのないように」
  • 続・わたしのオネーギン。 - 悩みは特にありません。

    2014-05-23 続・わたしのオネーギン。 息子がさ、壁に枕押し当てて「僕ここで寝るー」とか言ってヤモリみたいに壁に張りついてさ、人間生まれて三年も経つといっちょまえにボケたりするんだね。今日あいつ生まれてはじめてボケたんだよ。はじめて歩いた時より度肝抜かれたよ。 ね。驚くよね。びっくりドンキーよ。何がびっくりかって、たった三年しか生きてなくても人間には「笑いをとりたい!」という感覚が芽生えるんだってことよ。面白い奴だと思われたい! みたいなね。すごいよね。わたしゃびっくりしちゃってツイッターでつぶやいたりしてね、つぶやくだけでは済まずに翌朝LINEでオネーギンにまで報告してしまったんだよ。あ、オネーギンってわたしの姉のこと。おねえちゃんって呼ぶのが恥ずかしいからオネーギンね。 そしたらさ、何を思ったのかオネーギンが気色悪いポエムを送ってきたんだよ。あっというまに大きくなっちゃうよ

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    peat 2014/05/30
    夜中に声出してわらってしまった。っていうかめくってもめくっても全部おもしろい。私もこれから姉のことオネーギンて呼ぼうかな
  • アルコール依存症気味の薔薇 - 傘をひらいて、空を

    華やかで大輪の感じがするので薔薇のような人だと評していたら当の彼に笑って女の子じゃないんだからと言われた。あるいは男同士のラブ的な。彼の説明がわからないのではなかったけれども、私は自分の用法にだって自信を持っていた。単独の成人男性を薔薇のようだと思うのがおかしいなんて、私には思われなかった。彼は束にされればいちばん目立つような能力と容姿を持ちそれを裏切らない言動をとっていた。十年と少し前の話だ。 十年ぶりに会った相手が老けているのは当たり前だけれども、それよりも病的な痩せかたのほうが目についた。槙野さんか、太ったなあ、と彼は言い、太ったよと私はこたえた。いいねと彼は続けた。年をとったら脂肪を増やしたほうがいい、脂気がないと、寒い、皺っぽくなるし、うん、ちょっと太ったほうがきれいだ、太ったって言われて気を悪くしないところも良い。 彼は人を褒めるのがとてもうまい。ものを言って人の気を惹くのがう

    アルコール依存症気味の薔薇 - 傘をひらいて、空を
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    peat 2014/05/28
    自分が今仕事のことでつかれているからかもしれないが、じんわり涙腺がゆるんでしまった。「あした世界が終わればいいのになーとか思いながら、やっていくの、何年か前から、そう決めてるの。」
  • 露出狂にあった話をします - 私の時代は終わった。

    ここ最近、言いたいことといえば、「露出狂にあった」ってことかな。 傘はとうに吹き飛んでいて、ここ東京で遭難するような雪の日に、 逃げ込んだ新宿ルミネストの地下へと続く階段の踊り場で、露出狂にあった。 命からがら氷ついた髪の毛が少しづつとけて、ただもう家に帰りたいと無心に階段を下りていると、後ろから丸ビル勤務かなってくらい上等なコートを着こなしたレオンのようなサラリーマンに声をかけられた。 「ティッシュ持っていませんか?」 ティッシュとな。 このナイアガラの滝のように鼻をたらしてる女に、よくも聞いたねと、振りむけば丸ビル。 断じて不所持のチッスを、探してるふりの様式美。あれー?あれれー?つって。 エアギターもここまでってくらいカバンをガサゴソしながら、 チラチラと赤らめた顔でリーマンを盗み見ると、 リーマンのコートの第6ボタンくらいのとこから、リーマンのリーマン部分がサラッと出てた。 これが

    露出狂にあった話をします - 私の時代は終わった。
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    peat 2014/02/25
    「露出狂の行方は、誰も知らない」お願いうまいこと言わないでwwはいねさんには脱帽しすぎてもう脱げる帽子がない!
  • あなたの可愛い可愛い部下 - 傘をひらいて、空を

    最初の皿が来ても、まだだ、と判断する。それが半ば以上空いて、しょっちゅう会うわけでもない私たちのあいだの空気の凝りがそれなりにほぐれたところで、私はそのことばを口に載せる。それは私の内側で注意深く削られているからとても軽い。ねえ、何か、いやなこととかあったの。 彼は軽く目を伏せてほほえみ、手を止める。口をひらく。自分でもけっこう露骨に顔に出てるとは思う。でも会社の誰もそれを指摘しないんだ。僕に興味がないのかもしれない。人の顔なんかそんなに見ちゃいないのかもしれない。あるいはみんなは僕が嫌いで、ざまあみろと思っているのかもしれない。もっと窶れたらもっと喜ぶのかもしれない。 よその部署から新しい部下がやってきて、彼のそばの席に座ることになった。彼のアシスタントをしながら仕事を覚え、ゆくゆくはひとりでそれができるようになることを期待されていた。その部署をあずかる管理職は新しい部下の前で彼をうんと

    あなたの可愛い可愛い部下 - 傘をひらいて、空を
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    peat 2013/12/10
    「自分のことを書かれているのかと思った」というのは安直な感想とは思いつつ、それでも「自分のことを書かれているのかと思った」。つまりは誰にでも起こり得ることなんだってことだね
  • 警告と避難と生還 - 傘をひらいて、空を

    片足を引いて自宅に戻る。良くない兆候、と彼は思う。バランスが崩れている。彼はこの十年ばかり、月に五十キロメートル程度を走っていて、腫れるほど足を捻ったことは二度しかない。彼はなにごとにも慎重だし、無理をするたちでもない。子どものころは丈夫でなかったから、限界から少しのりしろを取る癖がついているのだと思う。だから学生の時分、もう少しハードなスポーツをしていたころにも、あんまり怪我はしなかった。 コンビニエンスストアで固定用のテープを探す。明日の出勤前に、もう少しきちんとしたものを買わなくてはいけないと思う。深夜の住宅街にも人はそれなりにいて、車止めに座ってテープを巻いているランナーをちらと見る。彼はうつむいて歩きだす。痛みは何度味わっても色あせないし、何分続けて味わってもずっと新鮮なままだ。どうして慣れないんだろうと彼は思う。ほかのたいていのことには慣れて鈍くなるのに。角を曲がると少し離れた

    警告と避難と生還 - 傘をひらいて、空を
    peat
    peat 2013/10/30
    「天才じゃなくても、特別じゃなくても、取り替え可能な部品でも、わがままを言えばいいやと思う。その程度の交渉の余地はある。」/働く、ということにおいてすごく大事なことだなあと思う、これ。
  • 『パンドラ ザ・イエローモンキー PUNCH DRUNKERD TOUR THE MOVIE』(2013/09/28) - 朝焼けエイトビート

    公開初日に神戸の映画館で観た。劇中のライブ映像の激しさや華やかさとは裏腹に、しみじみとした静かな感動といつまでも胸の中に波紋を広げる切なさが残った。観て良かったと思った。 1998年4月から1999年3月にかけて行われた113に及ぶ「PUNCHD RUNKERD TOUR 1998/1999」のドキュメンタリー映画。「記録」と呼ぶには感傷的すぎ、「伝説」と名付けるは痛々しすぎる−−そんな印象を持った。 ツアーのライブと舞台裏(楽屋、移動、打ち上げなど)の映像に加えて、2013年の現在においてメンバーとツアースタッフが当時を振り返る映像で構成された115分。15年前のツアーの映像はフルカラーなのに対して2013年の映像はすべてモノクロームで、過去と現在が入れ替わったような、現在を生きる人達が当時を語ることで過去を生き直しているような、そんな不思議な感覚を覚えた。 映画のなかでも特に、当時を

    『パンドラ ザ・イエローモンキー PUNCH DRUNKERD TOUR THE MOVIE』(2013/09/28) - 朝焼けエイトビート
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    peat 2013/10/10
    すばらしいテキスト。これが読めたことを心からうれしくおもう。明日もう一度、見に行ってきます
  • 風よ!炎よ!雷よ!我が剣となって、この悲しみの大地に処女を貫け!ゴゴゴゴゴゴッ! (33歳) - 私の時代は終わった。

    いやー、生贄とかの制度が無い時代で良かったわー。 いやー、ドラキュラとかいない国で良かったわ―。 超、安泰。 向かうとこ敵なし。 処女のまま、無事33年。 まったく何からも狙われることなく、今日、33歳になりました。 33年の集大成っていうのかなあ。 この1年。例年にまして驚くほど何もなかった。 もう今シーズンの危なげの無さつったら、私の下半身あたりでもマー君が投げてんじゃないかってくらい。 実は私は生まれながらの巫女なんじゃない? そしてこのアパートはもう神社と言っても過言じゃないんじゃない? 下半身に、軽く何か祀られてんじゃない? そう思って33年。長丁場すぎる。 もはやバージンっていうか「バー人」って人種になってる。 ユニコーンなんかでいえば、もう見えるとかじゃない。馬主ですよ。 JRAでユニコーン(三歳馬)に武豊のせてる頃ですよ。 職場の後輩がさー、6年付き合った人と別れ、運命の人

    風よ!炎よ!雷よ!我が剣となって、この悲しみの大地に処女を貫け!ゴゴゴゴゴゴッ! (33歳) - 私の時代は終わった。
    peat
    peat 2013/10/10
    婦人科検診をここまで面白く書ける文才。惚れるどころじゃない。
  • 弱者としてのレッスン - 傘をひらいて、空を

    爆発の音がする。グラスを手に空の光を振りかえって、華やかな戦争みたいだ、と彼女は言う。夜になったばかりの空が赤く光り、緑色がかり、うす青く陰る。部屋の灯りは落とされ、やや過密にそこにいる私たちはたしかに、逃げて隠れているようだった。私は少しだけ動揺して言う。その種の比喩を、私は臆病に避けているんだよね。不謹慎だ、みたいに叱られるから。ほんとうに爆撃を受けている人に申し訳ないと思わないのか、とか。「当事者の身にもなってみろ」と弾劾される事態を避けている。 片方の眉を上げて彼女は笑う。年に一度の大きい花火大会の晩で、彼女の一家が住むマンションのベランダからは、やや遠景にはなるけれども、それを見ることができる。けれどもベランダは幾人もが座れる広さではなく、外気は日が暮れても有害なまでの熱を有して、だから火花に飽いた者は順繰りにリビングに入って、よく働く空調が吐き出す空気と控えめな灯りのなか、水滴

    弱者としてのレッスン - 傘をひらいて、空を
    peat
    peat 2013/08/20
    ぜひ最後まで読んで欲しいエントリ。「粘っこくけちをつける精神もそれにダメージを受けてわけのわからない遠慮に至る私の精神も、まったくもって、うんざりする代物にみえてねえ。」ああ、ああ。