出血性潰瘍に対する緊急内視鏡による止血術 胃潰瘍や十二指腸潰瘍では合併症として出血を伴うことがあります。潰瘍の所の血管が破れるのが原因ですが、出血量が多量になると生命に危険が生じます。この場合、昔は緊急手術が行われていましたが、現在では内視鏡(胃カメラ)による止血法が発達普及し、その止血率はいずれも90%以上と良好で、緊急手術の必要性はほとんどなくなりました。 一般的な注意事項 1)出血が疑われる場合には、ショック状態を改善した後に必ず緊急内視鏡検査を行い、潰瘍や出血の状態を確認します。 2)止血処置の必要な例は、活動性出血があるもの、露出血管を有するもの(潰瘍内の血管が突出あるいは赤色を呈している)、凝血塊付着例などです。 3)浅い潰瘍では血管の側壁が破れるため、血管周囲と血管そのものの両方に処置が必要です。深い潰瘍では比較的太い血管が断裂しているため、血管そのものの確実な処置が重要です