いわゆる「鍵っ子」だった幼少時代から、読書に明け暮れる毎日を過ごしていたスタイリストの伊賀大介さん。漫画からノンフィクションまで、興味がありそうなものには片っ端から手が伸びるタイプだと言い、通いつけの古本屋「流浪堂」での取材時も、大好きな落語の本に目を輝かせていました。今回は、そんな伊賀さんの夢の道しるべとなった3冊を紹介してもらいます。 やる気を加速させる、TAROの言葉。 『今日の芸術』 岡本太郎著 光文社刊 「“ボロは着てても心は錦”を地でいってた、20歳頃の金ナシ女ナシ夢だけ大ありだった、丁稚アシスタント時代。青山ABCにて平積みになっていたこの本をなにげなく手に取った瞬間から、映画『ザ・コミットメンツ』のzippo点火のごとく、文字通りケツに火が点いた。やる。やらねば。なにを? なんでも! いつから? いまだ! いま、この瞬間から! 根拠のない自信だけが頼りだった、どこにでもいる
国際映画祭の常連となっている若き巨匠、ジャ・ジャンクー。この最新作は中国、フランスでもヒットを記録しています。 ジャ・ジャンクーはこれまで、激動する中国社会の変化に翻弄される人々を描いてきた監督です。決して切り離すことのできない個人と社会の関係を俯瞰する視線は非常にダイナミックで、都会と田舎、強者と弱者、二極化する社会の狭間の歪みに落ちかけながらも、懸命に生きる市井の人々の人生を見つめてきました。最新作『山河ノスタルジア』にもそうした感触はもちろんありますが、いつものジャ・ジャンクー節よりももっと情感にあふれ、まろやかに人生の機微をすくいとっていくような変化を感じました。この物語は故郷で暮らす母とのエピソードから生まれたという背景をもち、監督にとってパーソナルな思慕が込められた作品だからかもしれません。 舞台となっているのは、監督が生まれ育ち、これまで何度も描いてきた場所、山西省の汾陽(フ
●1986年、東京都生まれ。5歳からモダンバレエ、7歳からピアノやエレクトーン、作曲を習い始める。国立音楽大学作曲専攻卒業後、ジム・マクニーリーが教鞭をとるマンハッタン音楽大学院を卒業。2012年アルバムデビュー。15年にBMIチャーリー・パーカー・ジャズ作曲賞を受賞。 挾間美帆の陽気で人懐っこい性格は、転校が続いた幼少期に培われた。好奇心が旺盛なのは、どこへ引っ越してもモダンバレエとヤマハの音楽教室を続けていたからかもしれない。ダンスではワールド・ミュージックなど枠にはまらない音楽を体感し、エレクトーンでは演奏するために日常で耳にする曲を譜割りしていくことが作曲の下地になっていった。そして小学4年の時にNHKの大河ドラマ「秀吉」を見て、「日本史と音楽とオーケストラが混ざっていてうらやましい」と、次第に作曲家になりたいと思い始めたという。 転機は大学4年の時。ジャズ・ピアニスト/作曲家であ
“馬づくし”をご堪能あれ! 横浜・馬の博物館の「馬鑑 山口晃展」がユニークです。 2016.04.22 横浜市中区の根岸競馬記念公苑の一画にある、「横浜・馬の博物館」をご存じですか? 開館は1977年。もともとは江戸末期の1866年に日本初の本格的洋式競馬場として「根岸競馬場」が作られた場所でした。その歴史に因み、馬の博物館には馬事文化や競馬に関連する美術品、工芸品などの資料が多数展示されています。 今年は根岸競馬場開設から150周年、そして、博物館を運営する(公財)馬事文化財団の創立40周年という節目の年。これを記念して現在、画家の山口晃さんの展覧会が開催されています。その名も「馬鑑(うまかがみ)山口晃展」。 山口晃さんといえば、日本の古典的な大和絵の構図や手法を取り入れながら、それを油絵具や水彩絵の具を用いてカンヴァスに描くという独特の表現で、国内外で人気の高いアーティスト。たとえば『
「トイ・ストーリー3」だって彼らの仕事! いま輝く2人組クリエイター「トンコハウス」展が必見です。 2016.03.24 世界が大気汚染に覆われた時代。8時間に一度、歯車のネジを巻いて風車を動かすことで、汚染された空気を外側に追い出し、街を守る仕事をしていた豚の少年がいました。ある時、家族も友達もなく孤独だった少年の学校に、絵を描くのが大好きな天真爛漫なキツネが転校してきます――。 まるで絵本のような優しい絵柄の18分間の短編アニメーション『ダム・キーパー』。数多くの国際映画祭に出品されて20以上の賞に輝き、2015年米国アカデミー賞短編アニメーション部門にもノミネート作品されて話題を呼びました。 この作品は、アメリカのアニメ制作会社ピクサーのアートディレクターとして、「トイ・ストーリー3」や「モンスターズ・ユニバーシティ」のアートワークを手がけた堤大介とロバート・コンドウの二人が2014
ワイン用ブドウは、全世界で7000から8000種類もあると言われています。同じブドウでも、房の大きさ、粒の形は、随分と異なります。そしてもちろん、病気への耐性も違います。 プティ・マンサンという品種を知っている人は、おそらくかなりのワイン通。日本どころか、世界でもまだあまり知られていない品種です。「プティ」という名前がつく通り、粒はとても小さく、粒と粒の間は隙間だらけのブドウです。このブドウは、実はとても病気に強い品種なのです。 いまから約20年前、栃木県のココ・ファーム・ワイナリーは、オーストラリアからブドウ栽培のコンサルタントを日本に招きました。その時に得たアドバイスが、日本と同じようにやや降水量が多い、ハンデを背負った土地のブドウを探してみるといい、というものでした。そこで、注目した品種がフランスのピレネー山脈の麓で栽培されていたプティ・マンサン。加えて、当時ワイナリーで栽培醸造の責
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