「すみません、なんとおっしゃったのかわかりません」。僕がSiriからよく言われるセリフである。いつだって完璧な解決へ導こうとするSiriは、ほどよく雑な僕の会話の面白さをまだ理解してくれていないらしい。 最近、人工知能(AI)技術の進化スピードがすごいと言われているが、そのどれもが効率を追い求めるためのプログラムに過ぎない。僕が求めているのは、休日にドラ焼きを食べながらヒマそうに引き出しを開け、「さて、どの時代に行こうか」と、唐突な提案を押し付けてくる、ほどよく雑な感じのAIなのだ。想像してほしい。のび太が「人生について悩んでいる」と珍しく哲学的な悩みを問いかけても、仮にSiriなら「相談窓口が何件かみつかりました」と電話番号リストを答えてはくれるだろう。だが、ドラえもんは「悩んでなんかいないね、甘ったれてるだけだ」と背中を向けたりもする。人生においては、どちらの言葉が本当に大切なのだろう
時代はいまから150年以上も昔のことだ。アメリカ内部で北部と南部が対立し、南北戦争が1861年に勃発、1865年に終結した史実は周知のことだが、戦争の最中、リンカーン大統領は11歳の息子のウィリーを亡くしている。腸チフスが原因とされる。一方、戦死者は両軍合わせ62万人を越える。 ひとりの少年の死と膨大な兵士の死を数によって、悲しみの深さを比較することはできないが、南北戦争というアメリカの悲劇に巻き込まれた一人ひとりの悲しみは、息子を亡くし悲嘆に暮れるリンカーンの姿を通し、普遍的により鮮明に描かれることとなる。 これまで多数の南北戦争に関する本が書かれ、またリンカーン伝が書かれてきた。だが、この『リンカーンとさまよえる霊魂たち』は、史実とフィクションを問わず、これまでのいずれの歴史書と伝記と小説を凌駕する書であるように思う。 原題“Lincoln in the Bardo”の“Bardo”と
モード界で2018年のA/Wシーズンでは、ヴィンテージ感がキーワードになっています。上写真のジャケットは、表側が起毛され裏側がボアになったシープスキン製。スペインのラグジュアリーメゾン「ロエベ」の新作です。1970年代に流行したシアリングコート(ランチコート)を想起させる、レトロなムードに味わい深さがあります。この服は異なる要素をミックスする、現代的なハイブリッドデザインでもあります。ベースの型がカジュアルなジージャン(デニムジャケット)で、そのデニム素材が極上のシープスキンに置き換えられているのです。ジージャン本来の縫い目に着目し、そこから白ボアを飛び出させた、立体的でグラフィカルな表現にもさららる工夫が。高級品と臆せずに、ラフな服装と合わせて着てこそ様になる一着といえるでしょう。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く