子供の頃から何かにつけて「おいしい!」を言っていたな、と最近気付いた。 未就学とか、小学生低学年とか、それくらいから。実際母の作るごはんはおいしい。それを差し置いても私はしょっちゅう「おいしい!」と言った。 きっかけや理由は曖昧。母を褒めようとしていたような覚えはある。だから、無理のある「おいしい!」もあった。 キュウリとトマトとレタスとハムをよそっただけのサラダに「お母さんがスーパーで選んだキュウリおいしい!」って言ってた記憶がある。我ながら苦しい理由だ…。 大学に入った時、一年だけ一人暮らしをした。その間、実家は母と父だけの二人になった。 父は、あまり料理の感想を言わない。味音痴ではないし美味しいものは美味しいとわかる人だけど、言わない。既製品に対する文句やダメ出しはするあたり、美味しいイコール味が気にならないからわざわざ口に出さないのだろう。が、悪く言うと、母の料理には無頓着のように
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