大分大は27日、狂犬病ウイルスを破壊する「スーパー抗体酵素」の開発に成功したと発表した。同大によると、人から取り出した抗体を持つ遺伝子を使ったケースは世界初で、昨年12月に米国の生命科学専門誌「FASEBジャーナル」電子版に掲載された。狂犬病に有効な治療法はないが、人への応用が可能になれば、狂犬病が不治の病でなくなる可能性があるという。 工学部の宇田泰三教授(生物工学)らによるマウスを使った共同研究。同大によると、スーパー抗体酵素は特定のウイルスや細菌を狙い撃ちして無害化する酵素で、宇田教授が98年に発見した。 今回の研究では、狂犬病ワクチンを接種した人の白血球から、抗体を持つ遺伝子を取り出し、遺伝子を分離するなどして5年間かけて狂犬病ウイルスだけを破壊するスーパー抗体酵素の製作に成功した。この酵素を狂犬病ウイルスに感染した10匹のマウスに接種したところ、5匹が世界基準である14日間の