こうしたことから、IEAは07年のドイツに関する国別レビューの中で、特に太陽光に関して「高値のFITは費用効果的ではないので、これ以外の政策の採用」を勧告している程である(同じレビューで原子力発電のフェーズアウトの見直しも勧告している点は興味深い)。 もちろん、FIT導入にはエネルギー安全保障、雇用、技術進歩など別の観点からの総合的検討が必要である。従って本稿でドイツのFITのすべてを否定するつもりは毛頭無いが、少なくとも太陽光に関しては賢明な政策とは言い難い。 実際、ドイツではIEAの勧告や電気料金引き上げに対する国民や企業からの批判を受けて、太陽光については10年の1年間だけで3度も買い取り価格を引き下げ、以降も継続的に引き下げの方向である。これまでの議論から明らかな通り、ドイツの最大の問題点は高い買い取り価格を20年間固定することで極めて巨額な補助金が累積することである。 先日の【「