「エスカレーターでは立ち止まろう」。12月中旬の土曜日正午、埼玉県さいたま市大宮区のJR大宮駅西口。壁面に張られた県のポスターを横切り、利用者千人のうち61人がエスカレーターを駆け上がっていった。中には立ち止まった利用者を押しのける場面も数回見られ、危険な状況は条例施行前から改善されていなかった。 女子高生とホテルへ…会社員を逮捕 母「娘が帰らない」 県警が見つめる中、朝ホテルから出てきた2人 2カ月半前の10月1日、埼玉で「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が施行された。全国に先駆けた取り組みとして注目されているが、実際に成果を上げてモデルケースとなることができるのかは周知の成否にかかっている。 県が7月に実施、11月末に公表した県政世論調査によると、条例を知っていたのは県民2767人のうち38・3%。その約半数は義務であることを知らなかった。条例施行日の前後、ポスターやステ