高田橋範充 中央大学 専門職大学院国際会計研究科 教授 2009/10/27 IFRSでは、投資意思決定に有用な情報を提供することが財務報告の目的とされている。しかし利益情報こそが投資意思決定情報として決定的であるとの考えもある。今回はこの問題を考える (→記事要約<Page 3>へ) IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の基本的立脚点が利益に置かれていないことは、この連載の1回目「 IFRSは『会計』基準ではない、では何なの? 」において述べた通りである。すなわち、IFRSでは、投資意思決定に有用な情報を提供することが財務報告の目的として理解されているのである。しかしながら、多くの日本人は、利益情報こそが投資意思決定情報として決定的であるととらえているのではないだろうか。今回はこの問題を考えてみよう。 利益のとらえ方 利益のとらえ方が欧米、正確にはアングロサクソン系のグループにおい