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ブックマーク / bohemian-style.hatenadiary.org (10)

  • ドバイ・ショック - 漂流する身体。

    ああ、やっぱりという僅かな既視感を覚えるドバイ・ショックを機に円が急騰している。イスラム金融への対応が遅れ、金融的に中東から最も遠い日が、質への逃避として買われたのである。リスクをとって、経済的関係を強めた欧米諸国が売られ、携帯同様に金融というインダストリーがガラパゴス化した日が買われるのは皮肉である。ただ、もともと金融というのは極めて保守的なビジネスであるべきで、巨大複合金融機関がリスク取って経営する現代が、異常なのかもしれない。事実、この現代的金融のアグレッシブさは、決して株式市場から高い評価を得られていた訳では無かった。金融危機前のバルジ・ブラケットなど巨大複合金融機関のPERは、大体10倍を僅かに切る位であり、市場平均よりかなり低かったのである。この市場評価の低さは、収益のボラティリティを反映しているとの解釈だったが、乱暴に言えば、PER10倍というのは10年に1回くらいは金融

    ドバイ・ショック - 漂流する身体。
  • オーバーパーの世界への復帰 - 漂流する身体。

    オーストラリアのANZが英国の銀行であるRBSのアジアリテール網を買収するという報道が出ていた。金融危機後の回復過程としては、一つのマイルストーンだと思う。これまで、米系投資銀行を巡る再編や、ドレスナー−コメルツの様な国内固めをするM&Aから、ついに外に目を向けたストラテジックなM&Aが起きたということである。台湾、インドネシア、シンガポール、香港、フィリピン、ベトナムにまたがる54支店に200万のカスタマーベースというオペレーションに、約7000億円の預金と3000億円のローンがディールの対象で、ANZは一挙に国際オペレーションを拡大することになる。 しかも、報道によれば、どうやら買収価格はプレミアムの様である。US$550mln、つまり約550億円という買収価格は10%プレミアムで、実際のブックバリューは500億内外の様だ。これまで、どのアセットディールも議論はディスカウントからが基

    オーバーパーの世界への復帰 - 漂流する身体。
    permas
    permas 2009/08/23
    邦銀はアジアに眼を向けるべきだと
  • Risky-transaction fees - 漂流する身体。

    今日の昼くらいに、アメリカにおいて、金融機関が高リスク取引を今後手がける際にセーフティネットの為の保険料徴収を考えているとバラク=オバマが考えているという報道が割と唐突に日経で流れた。先週くらいに流れていた規制案の中で、デリバティブ関連の規制はちょっと待って、となっていた部分の話だと思って調べたが、そこにぴったり合致するかは不明ではあるが、オバマが昨日の記者会見で、金融規制改革の一環として、このアイディアを表明したらしい。 Google Newsで検索する限りは日語ソースは日経だけの模様で、日語メディアだけでは埒が明かないので、Wall Street Journalのサイトを見たら、割とまとまった記事があったのでこれを紹介する。要は、解釈は混じるが、こういうことの様だ。 オバマは大手金融機関の行動が金融危機後も変わっていない事に苛立っており、このまま規制しないと、また同じ金融危機が起き

    Risky-transaction fees - 漂流する身体。
  • インフレは多分来ない - 漂流する身体。

    昨年度の終わり、金融危機のクライマックスの頃だったか、銀行救済に自動車にデフレ防止にお札を刷りまくる政府を見て、次は狂乱のインフレ時代が来ると言う人がぼちぼちと存在した覚えがある。僕も言われるまでもなくそんな直感がしていたし、投資銀行コミュニティの中でもインフレ来る説を唱える人が居た。次は商品が来る。足元コモディティプライスが上がりだしているのはインフレの予兆だ。とか言っていて、そうかもね、と思ったものだ。 しかし年度が明けて暫く考えてみて、僕はやっぱりインフレは来ないと思い出している。確かにコモディティプライスは回復基調にあって、僕も相場やろうかなと思ったくらいだが、これは下がりすぎた実需の回復を先取った正常な相場の流れでは無いかと思う。GMは破綻して、政府はまた600億ドルも突っ込む様だが、それでも世のマネーサプライを動かす程では無い。確かに米国のマネーサプライは増えていて、 M2 (

    インフレは多分来ない - 漂流する身体。
  • ハイマン・ミンスキーとバブルのコントロール - 漂流する身体。

    ここんとこ金融の世界で、大いに見直されているというか、初めて注目を集めているのが、ハイマン・ミンスキーという既に故人となった経済学者である。通常、景気のサイクルというのは、需要と供給のバランスによって説明され、在庫調整を中心に景気循環サイクルが描かれるのだが、彼は経済主体の所得と債務の関係から見た景気サイクルを重視した。また、金融不安定性仮説という彼の理論の名称が示す通り、市場は投機と恐慌の双方に陥りやすいという基的ビューを持っており、市場は効率的なものである、という前提を持つ新古典派とはかなり異なる立場である。シカゴ学派全盛であった昨今の米国で、彼がずっと注目を集めなかったのは、このせいであろう。 彼の理論によれば、全ての経済主体は3つに分類される。1つは「ヘッジ金融ユニット」であり、これはキャッシュフロー(=所得)で利払と債務の償還を賄える法人とか個人の経済ユニットである。2つめは「

    ハイマン・ミンスキーとバブルのコントロール - 漂流する身体。
    permas
    permas 2009/04/30
    ハイマンミンスキー:所得と債務の関係から経済ユニットを三つに分類
  • 財政健全化と国民の生活 - 漂流する身体。

    僕は法学部出身であって、その後金融業に携わりはしたが、決して経済学をきちんと学んだ訳では無い事は、あらかじめ前置いた上で稿を読んで頂きたい。前日のBlogに、「将来の税負担の大きさを示す都の債務12兆円」と書いたが、国の借金の質は、という話である。 一般には、国の債務については、国の借金として大変な金額(債務全体で約1,000兆円!)が喧伝されており、借金の証書たる日国債の格付けはAAAを失って久しく、これはデフォルトリスクが現実のものとして懸念されていることを示す。財務省発表の国の財務諸表を見ると、年金の積み不足とかの簿外債務を除いても合計980兆円、資産は700兆円で、債務超過が280兆円である。しかし、資産の中には、公共財や多分返ってこない財政投融資関係と思しき貸付金がざっと400兆含まれているので、全部が全部価値ゼロでは無いにせよ、粗っぽく見積もって500-700兆円位は埋め

    財政健全化と国民の生活 - 漂流する身体。
    permas
    permas 2009/04/25
    わかりやすかった
  • オラクル、サン買収の先には - 漂流する身体。

    サン・マイクロシステムズは間違った方向に行ったと、何回も過去言われてきて、この会社はしぶとく外野の声をこれまで跳ね返してきたのだが、ついに他社の軍門に下る日が来た。買収したのはデータベースの巨人というか、買収で作った企業向け業務ソフトウェアのデパートという方が近いのか、かのオラクルである。オラクルのウェブサイトに行くと、Oracle buys Sunと現在形で高らかに謳われていて、おお、と思ってサンのウェブサイトに行くと、Oracle to buy Sunと微妙なステップバック感があった。いつだって買収はデリケートな問題である。 さて、オラクルはこれまで人事管理のピープルソフトとか、業務用ソフトの会社しか買収して来なかったが、なぜ今回はハードウェアの会社であるサンなのか、あまり頭にすっと入ってくる解説がマスコミに無かった。また、Blogosphereでは、意地の悪い見方で、ローエンドのデー

    オラクル、サン買収の先には - 漂流する身体。
  • デジタリアン - 漂流する身体。

    ちょうど今、ラスベガスくんだりでは、PMAという写真関連の見市をやっている。このご時勢だから、大した新商品も出てないのだが、幾つかはやっぱりささるのが発表されていて、不況だってのに物欲は増すばかりである。 SIGMA DP2 まずは、SIGMA DP2。そういえば、以前このBlog上で、その前身であるDP1を買う買う吠えた記憶があるが、結局ダークホースのパナLX3は買ったが、DP1は買ってない。デジもんなのにずっと10万前後で値落ちしなかったのと、寄れない上に暗い広角レンズに最後腰が引けてしまったのだ。クローズアップレンズ付けたら、もはやコンパクト機とは言えない大きさになってしまうのも気になった。でも、今度のDP2は良さそうだ。レンズが41mm/F2.8なんていう絶妙な単焦点である。寄れないのは、相変わらず寄れないが、焦点距離が伸びて、一段明るいから、寄れなくてもボケはそこそこ出せそうだ

    デジタリアン - 漂流する身体。
  • ソフトバンクの財務戦略 - 漂流する身体。

    ソフトバンクモバイルが、やっとデータ定額を導入するというニュースが4日に出た。面白いことに、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)として、ライバルであるイー・モバイルのデータ通信網を利用して提供するらしい。ディズニー・モバイルはソフトバンクのMVNOであり、ソフトバンクはMNO(Mobile Network Operator=キャリアと普通呼ばれる)だが、今回はMNOたるソフトバンクがMVNOをやるのでややこしい。 なぜ自前でやらないのか。理由は多分ソフトバンクは最も周波数が逼迫しているMNOだから、定額データ通信を賄うだけのキャパシティが電波的に無い、という事が第一だろうが、設備的なキャパシティも無いという可能性も十分考えられる。ソフトバンクは基地局は増やしていると主張しているが、06年度に3000億円台だった設備投資を、08年度

    ソフトバンクの財務戦略 - 漂流する身体。
  • マイケル=ミルケンと堀江さん - 漂流する身体。

    はてな「ダイアリー」を使ってはいるが、一応単なる日記は書かない積もりでつらつらとこれまで雑文を書いてきた。ブログと称している以上、何らか記事めいたものにした方がいいかなと思っているからである。加えて、大所高所からの評論というやつがどうにも苦手なので、神は細部に宿るとばかりに、評論より分析ということで、ディテールをなるべく大事にしようと思っている。 そんな裏ポリシーは有るのだが、今日のは完全に日記である。4/27に堀江さん釈放のお話を書いたが、そこでふと結びの段で浮かんできたマイケル=ミルケンという言葉に非常に懐かしさを覚えて、今日パチパチとキーボードを叩いている。 4/27 堀江さん保釈 僕が就職活動をしていたのは、もう9年も前になるが、その時僕の胸に有った青雲の志は、自分が日のマイケル=ミルケンになるというもので有った。マイケル=ミルケンは、金融業界の方なら名前を知っていると思うが、7

    マイケル=ミルケンと堀江さん - 漂流する身体。
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