ああ、やっぱりという僅かな既視感を覚えるドバイ・ショックを機に円が急騰している。イスラム金融への対応が遅れ、金融的に中東から最も遠い日本が、質への逃避として買われたのである。リスクをとって、経済的関係を強めた欧米諸国が売られ、携帯同様に金融というインダストリーがガラパゴス化した日本が買われるのは皮肉である。ただ、もともと金融というのは極めて保守的なビジネスであるべきで、巨大複合金融機関がリスク取って経営する現代が、異常なのかもしれない。事実、この現代的金融のアグレッシブさは、決して株式市場から高い評価を得られていた訳では無かった。金融危機前のバルジ・ブラケットなど巨大複合金融機関のPERは、大体10倍を僅かに切る位であり、市場平均よりかなり低かったのである。この市場評価の低さは、収益のボラティリティを反映しているとの解釈だったが、乱暴に言えば、PER10倍というのは10年に1回くらいは金融
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