核保有国であるインドとパキスタンは、4月末に発生したテロをきっかけに対立をエスカレートさせている。両国政府はそれぞれ相手国民を国外退去させ、国際河川インダス川の水利も制限されかねないなど、全面衝突の懸念が高まっている。戦争は両国に大きな損失を招きかねないが、それでもお互いに譲歩や妥協が難しい背景には、宗教イデオロギーとポピュリズムの広がりがある。 水が止まり、夫婦は引き裂かれる 国連は5月1日、インドとパキスタンに対して緊張緩和を呼びかけた。 その前日、パキスタンは諜報機関の情報として「インドが数日内に軍事攻撃してくる可能性」を示唆し、その場合には「徹底的に報復する」と警告した。 インド、パキスタンの両軍は4月23日以来、国境付近で散発的に銃撃戦を展開するなど、緊張が急速にエスカレートしている。 それにつれてインド・パキスタン国境が閉鎖され、ヒトやモノの行き来がストップした。両国政府はそれ
