相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害され、26人が負傷した事件で、横浜地検は元職員の植松聖容疑者を殺人罪や殺人未遂罪などで起訴した。精神鑑定の結果、「自己愛性パーソナリティー障害」ではあるが、完全に刑事責任を問えると判断した。 公判では、5カ月間にわたる捜査当局の調べや精神鑑定で判明した内容が初めて明らかにされる。事件の全貌を知り、真相を究明するためには、捜査でわかった事実が公判廷で開示されることは重要だ。 植松被告は事件の5カ月前、「障害者総勢470名を抹殺できる」「障害者は不幸を作ることしかできない」との手紙を衆院議長公邸に提出し、精神科に措置入院となった。このため厚生労働省は措置入院や退院後のフォローについて検証した。 また、神奈川県は植松被告の同施設での勤務の状況や施設の防犯対応について検証委員会を設置した。 ただ、措置入院に関する状況は事件全体の一部に過ぎない。