やはり自民党は憲法よりも自分たちの選挙事情を優先している。そんな思いが強くなる一方だ。 小選挙区の「1票の格差」是正を図る衆院選挙制度改革について、自民党は衆院議長の諮問機関が採用を求めた「アダムズ方式」を容認する方針をようやく決めた。ただし、導入するとしても2020年の国勢調査結果が出た後だ。実態は党内の反対論に配慮した先送り策である。 アダムズ方式は都道府県ごとの議席配分に関して人口比をより反映させる仕組みだ。自民党はこれに代わって当面は15年の国勢調査に基づき6県の小選挙区の数を1ずつ減らす「0増6減」策を講じる関連改正法案の成立を早急に目指すという。 だが、これでは抜本的な格差是正にはつながらない。最高裁は09年、12年、14年の衆院選に関して「違憲状態」と判断するとともに、都道府県にまず各1議席配分する現行の「1人別枠方式」が「格差が生じる主因」と指摘している。アダムズ方式がこの