大学入試が変われば高校と大学の教育も改善される。古くからそう論じられてきた。 だが容易ではない。 現大学入試センター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト」を軸に、高校と大学をつなぐ「抜本的な改革」を論議した文部科学省の専門家会議が最終報告を出した。 知識や技能だけでなく、思考、判断、表現の力や主体的な探求性などを重視し、従来のマークシート解答方式のほか、記述式を導入する。 グローバル化や産業構造などの急速な変化にも対応できる人材育成が念頭にある。暗記と択一解答的な学力から、主体的な思考で一つではない「正解」を探る「課題解決型」学力への転換は、時代の要請ともいえよう。記述式だけでなく、マークシート方式でもそうした考えに沿って、設問を改めるという。 その理念には賛成だ。 しかし、2020年度から実施予定という差し迫ったタイムスケジュールの中で、50万人を超すと想定される受験生の記述答案を