離婚などで子の親権者になった親は、一方の親に対して引き渡しを求め裁判を起こすことができる。ただし、裁判所が引き渡しを命じ、判決が確定しても子と同居する親が応じないケースがある。 最終的には裁判所の職員である執行官が強制執行に向かうが、引き渡し現場でトラブルになることがあるという。法律に子の引き渡しに関する具体的な規定がないのが一因だ。 そのため、確実に引き渡すためのルールについて、法相の諮問機関である法制審議会が今月中旬から検討を始める。 両親の板挟みになる子の心を傷つけないような配慮が必要だ。これまでの引き渡し事例などを参考にしながら、円滑に子を引き渡せる仕組みを模索すべきだろう。 法治国家である以上、確定判決に従うのが道理だが、子との生活歴などさまざまな要因がからむだけに、解決は容易ではない。 最高裁によると、昨年は裁判に勝って強制執行を申し立てた97件のうち、引き渡しがされたのは27