民主化に向け歩み始めた国が混乱に陥っている。地域の不安定化を避けるためにも、国際社会が協調し正常化を促すべきだ。 アフリカ西部ニジェールでクーデターが起きた。大統領警護隊員がバズム大統領を拘束し、チアニ将軍が元首に就いた。 「法の支配」を無視した、武力による権力奪取は許されない。地域の15カ国で構成する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)などが批判したのは当然だ。欧米は援助を停止した。 ニジェールはかつてフランスの植民地だった。1960年の独立以降、クーデターが繰り返され、独裁体制が続いてきた。 2021年2月の大統領選挙で就任したバズム氏は、欧米との関係を重視して民主化を推進した。 ウラン生産以外の産業に乏しく、国連は最貧国に位置づける。豊かさを実感できない国民の一部に政府への不満が高まり、それに乗じてクーデターが起きた。 チアニ氏らは政変に至った理由について、「治安改善への取り組み
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