【ワシントン=小雲規生】米国の大学が外国人留学生の獲得を加速させ、その数は約97万5000人に達している。金銭に余裕がある留学生を受け入れたい各大学の財政事情が背景にあるとみられるが、強引な学生集めによるトラブルが続発するなど、新たな課題にも直面している。 「留学生の割合を学部生で12~15%、大学院生で25~30%まで高める」。ワシントン市内にキャンパスを構えるジョージ・ワシントン大学(私立)は5年後の創立200周年に向けた経営戦略のひとつに留学生獲得を掲げる。2015年の実績は学部生の約10%、大学院生の約18%で、さらに上積みしていく計画だ。 また、全米の大学で留学生の受け入れ数が最も多いニューヨーク大では14年、前々年比で41%も多い約1万3000人の留学生が入学した。米非営利組織(NPO)の国際教育協会(IIE)によると、14~15年に米国の大学で学ぶ留学生数は前期比10%増と3