本業での儲けを示す営業利益額の比較で、トヨタ自動車が日産自動車に負けた――。 1982年にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併して現在のトヨタが誕生して以来、ともに黒字状態での比較では初めてのことだ。 自動車産業を長年ウオッチしてきた筆者から見て、信じられない出来事である。しかし、冷静に考えると、これは、2008年9月のリーマンショック以降、産業界の勢力図が変わろうとしていることを象徴している。 トヨタが11月5日発表した2011年3月期の中間連結決算は、売上高が前年同期比15・5%増の9兆6784億円、営業損益が1369億円の赤字から3231億円、当期純損益が560億円の赤字から2891億円の黒字にそれぞれ転じた。円高の影響で1200億円の減益要因があったものの、エコカー補助金による国内での販売増や経済成長が著しいアジアでの好業績に支えられた結果、増収増益になった。 しかし、前日発表