要旨 理化学研究所(理研)ライフサイエンス技術基盤研究センター微量シグナル制御技術開発特別ユニットの小嶋聡一特別ユニットリーダー(東京医科歯科大学大学院教授)、ラジャン・シュレスタ国際プログラム・アソシエイト(研究当時)(東京医科歯科大学大学院博士課程)と、今本細胞核機能研究室の今本尚子主任研究員、東京医科歯科大学生体材料工学研究所の影近弘之教授らの共同研究グループ※は、肝がんの再発を予防する世界初の薬として期待され、治験[1]が進められている「非環式レチノイド[2](一般名:ペレチノイン)」が、選択的に肝がん細胞の細胞死を引き起こす分子メカニズムを明らかにしました。 肝がん(肝臓がん)は、外科的切除などで治療した後も再発する確率が高く、極めて予後不良の疾患です。肝がん細胞を選択的に死滅させる非環式レチノイドは再発リスクを20%以下に抑える効果があり、肝がん再発予防薬として、現在、第Ⅲ相臨