先日の研究会にも参加してくれた久保田さんの最近の論文です。 久保田裕之、2011、「家族福祉論の解体」『社会政策』3(1): 113-123. 非常に示唆的な論考で、興味深く読みました(今年一番の収穫だったかも)。私なりに内容をまとめると...(下手なまとめかもしれませんが...)。 家族を作ることが当たり前であったのは過去の話、結婚するかしないか、子どもをつくるか作らないか、個々人が選んでいく時代になっている。 それなのに、福祉供給の対象を「家族」に設定すると(つまり「家族福祉」)、あえてその選択をしなかった人に対しては不公平だ、ということになる。 「じゃあ福祉供給を個人単位にすればいいじゃない」と言いたくなるかもしれないが、そうはいかない理由がある。家族を作るか作らないかにかかわらず、人が生活していく上で必要である条件はあるはずだから。たとえば「(非対称的な)ケア」。誰だって子どものこ