本稿はワールドカップを否応なく見ることとなった、作家・橋本治氏が、ワールドカップを通 して見たサッカーの本質を考えた貴重な原稿である。元来は青年誌コミック「ビッグコミックスペリオール」に連載されたものだが、サッカーを考える人間にとって、多くの示唆にとんだものであるので、著者橋本治氏の許可を得て転載することにした。 考えるべき問題が多い日本サッカーにとって、一つの光明になる原稿であることは間違いなく、大いに楽しみ考えてほしい。 --------------------------------------- 私はサッカーに関心がない 本当は別のことを書くつもりだったんすがね。ワールドカップをやってるもんで、サッカーのことを書くことにいたしました。 もちろん、そんなことを言う私は、ワールドカップを見ない。それをしている時間的余裕がない。だから、「さすがの私もテレビ