過失(かしつ)とは、注意義務に違反する状態や不注意をいい、特に民事責任あるいは刑事責任の成立要件としては、ある結果を認識・予見することができたにもかかわらず、注意を怠って認識・予見しなかった心理状態、あるいは結果の回避が可能だったにもかかわらず、回避するための行為を怠ったことをいう。 取引法上は、善意で取引を行った者を保護するための要件として、無過失が要求されている場合がある(日本法では民法93条、民法192条、民法478条など)。これらの規定における過失とは、真実の権利関係等について調査・確認を行うべき義務があったのに、これを怠ったことをいうことが多い。また、故意・過失は債務不履行責任や不法行為責任の判断の要素となっている。なお、損害賠償の額を認定するに際して債権者(被害者)側の「過失」が一定の割合において認められるときに、その旨を考慮して損害賠償額を減額するローマ法に由来する制度を過失