【増永】 遠藤社長がそうした心理的なところに注力しようと思ったきっかけなどはございますか。 それは大学生時代の話に戻ります。 当時、1つだけまともにきちんと出席していた授業がありました。 それは消費者行動学みたいなものだったのですが、ここですごく心に残っている講義があるんです。 それは当時、マーケティングの先駆け的なことだと言われているのですが、ある企業がインスタントコーヒーを世界で初めて売り出しました。 売っている側としては、コーヒー豆を挽かずに手軽にコーヒーを飲むことができる―粉を混ぜるだけで飲めるなんて、革命的じゃないかと思っていたわけですよ。 しかし実際には、思っていたほど売れない。 香りも味もそれほど悪くもない。 値段も高すぎず、それなりに売れるはずだと思っていました。 予想とは正反対の結果となり、売れなくて困っていました。 そこで理由を探るためにも、女性をターゲットにしたインタ