◇人身保護請求の上告審判決 審理は名古屋高裁に差し戻し 国境を越えた子の連れ去り防止を定めたハーグ条約を巡り、米国在住の父親が、息子(13)を日本に連れ帰った母親に子の引き渡しを求めた人身保護請求の上告審判決で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は15日、「父親の請求は認めるべきだ」として、父親側の敗訴とした名古屋高裁金沢支部判決を破棄し、審理を名古屋高裁に差し戻した。 最高裁は判決で「条約に基づく裁判所の命令に従わず、子を返還しない場合は、特段の事情がない限り著しく違法な(身体)拘束に当たる」との初判断を示した。 判決などによると、今回の裁判は米国で暮らしていた日本人夫婦が争っている。母親は夫婦仲が悪化した2016年に息子を連れて帰国。米国に残った父親が子の連れ去り防止の原則を定めたハーグ条約の国内実施法に基づき、東京家裁に息子の返還を申し立てた。家裁は返還を命じたが、母親は応じず、強制執