全国人民代表大会(全人代)が閉幕した中国に暗雲が垂れ込めている。「虎もハエもたたく」として腐敗官僚の排除を推し進める習近平国家主席が独裁体制を固めつつあるなか、不満分子によるクーデターの可能性がささやかれているのだ。専門家は、極度の締め付けによって不満を募らせる軍部の暴発を懸念。元最高幹部の周永康氏の失脚によって後ろ盾を失った「四川閥」の残党や、弾圧に苦しむ少数民族のウイグル族にも「不穏な動きがみられる」(専門家)という。 「法の整備により反腐敗を継続するとともに、官僚のサボタージュに反対する」 全人代閉幕直後の15日、北京で記者会見した李克強首相はこう述べ、反腐敗運動を継続する方針を明らかにした。 この言葉の通り、中国当局は12日、昨年1年間に収賄や横領などで立件した汚職官僚が前年比7・4%増の5万5101人に上ったと発表。摘発された汚職官僚の中には、江沢民元国家主席率いる「上海閥」の大