「いちど掴んでしまったら、その音は、この世に存在する音になってしまう。存在する音に、僕は興味がない」日本初のテレビアニメ「鉄腕アトム」(63 手塚治虫)の音響効果を手がけた大野松雄。同作品はジャパニメーションの先駆けとして、アメリカのみならず、全世界的に大ヒットした。その音作りに対するひらめきは周囲をうならせ、手塚治虫をやりこめることも多々あった。大野松雄は「プロフェッショナルは、どんなに手を抜いても相手をだまくらかせる」をモットーに、ひとつの分野にとどまることなく映画や科学万博の立体音響など様々な分野の音響効果を手がけ、現在は知的障害者施設での活動を主にしている。アニメーション「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」の映像やレイ・ハラカミ、Open Reel Ensembleの演奏を交えながら、大野松雄が後世に与えた影響を紐解いていく。 『乱暴と待機』『パンドラの匣』の監督冨永昌敬による、
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