第14回 信じられない能力 「信じられない能力」などと言われるものはよく、少しいかがわしい見世物だったり、超一流のアスリートが披露する技に対して形容されるため、自分とは無関係なものだと思いがちだ。しかし、もし、誰もがそれに匹敵するような能力を持っていたとしたらどうだろう。 私も先日書店で、そういった人間の持っている「信じられない能力」の一端に触れる機会があった。その書店はあるジャンルの本についてかなり充実した品揃えを誇っているのだが、狭い店内にかなりの量の本を詰め込んでいるため、本を探すためには、とても狭い通路を通りながら棚を眺めなければならなかった。 私は、自分の研究テーマに関する資料を探すためにその店を訪れたのだが、その時既に、立ち読みに没頭している先客がいた。 自分も没頭している時に邪魔をされるストレスはよくわかるので、彼の邪魔をしないように、そっとぶつからずに横切ろうとしたのだが、
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