イグレン 加藤 文男 家庭、事務所や工場で使用されている電子機器、電気機器に使用されている材料、部品は、必ずといってよいほど金型を使って製造されます。金型は、製作するに要する金額が大きく、企業の重要な資産として扱われます。金型は、板金部品や樹脂成型品を製造委託している会社に預けられており、直接資材購買の事務所で見る機会は少なくなっています。金型で製造される部品や材料の数量で製品の価格、つまり、製品を販売して得られる利益に大きな影響を与えます。金型を経済的に製作し、その後の修理に費用をあまり掛けずにその寿命が尽きて廃棄されるまで有効に使用することが大切です。 金型の製作決定から廃棄まで大体次のような工程になります。金型に関する基本的な考え方や注意事項を整理しておきます。 1 金型の事前検討 金型は、その製作を決定するに当り、事前に「本当に金型が必要か」「標準品で代替できないか」など慎重な検討