深澤直人さんのデザイン・コンセプトの1つに、ファウンド・オブジェクト(found object)という考え方があります。 「ファウンド・オブジェクト」とはアフォーダンスで言う、環境の中にある価値を人が無意識に見出したものそのもののことです。 もともとはイタリアのプロダクト・デザイナーであった(2002年逝去)アッキレ・カスティリオーニという人が先駆けとなった取り組みで、日常で使われているすでにアイコン化したものに付着する人間の共通の行為やさまざまな事象を、まったく別のもののデザインに使うことで、その新たなものの機能や意味を使い手に暗示するデザインの方法論です。 ジェームズ・ギブソンの生態学的認識論日用品や日常生活におけるディテールの観察からそのディテールに付着したアフォーダンスを発見し、そのアフォーダンスを用いて新たなものをデザインするという考え方には、まさにジェームズ・ギブソンが生態学的