医療技術の進展は豊かさとともに弊害ももたらし,さまざまな問題が生じている.生命維持の二大トピック「人工呼吸器」と「胃ろう」に焦点をあて,臨床医への豊富な聞き取り調査をもとに現場のジレンマを解きほぐし,患者中心の医療を実現する倫理のあり方を探る. 序章 第I部 人工呼吸器をめぐって 第1章 延命医療中止問題 第2章 人工呼吸中止に関する調査 第3章 医師の意識と実践――法・報道・家族の意思 第4章 人工呼吸器の中止とその回避 第II部 胃ろう栄養法をめぐって 第5章 人工的水分・栄養補給法の進展とその問題点 第6章 胃ろう栄養法に関する調査 第7章 医師の意識と実践――医療システム・法・家族の意思 終 章 終末期医療と日本社会――まとめとして 資料篇 終末期医療に関する主なガイドラインなど