傑出した才能を持ち、若くから将来を約束されていた選手が様々な要因によって大成できずに終わってしまう。サッカー界ではよくあることだ。 しかし、中には一度「終わった選手」とみなされた選手が不意に失った輝きを取り戻すこともある。スペインではそのような現象を「セグンダ・フベントゥ(第二の青春)」と表現するのだが、今まさにその表現にぴったりの充実したシーズンを送っている選手がいる。マラガのホアキンだ。 10代から異彩を放ち、「スペインのフィーゴ」と呼ばれたホアキン・サンチェス・ロドリゲスは、ウイングの宝庫と言われた一昔前のスペインでも1、2を争う才能を持つ天才ドリブラーだった。 子供の頃はサッカーより闘牛に夢中だったという少年は、父親の勧めで加入した地元のサッカーチームですぐに頭角を現し、名門ベティスのカンテラに引き抜かれる。プロデビューは19歳。この年いきなり38試合に出場してトップチームの1部復