坪井慶介は飄々と記者たちの前に現れる。 「僕(ネタを)持ってませんよ」などと言うが、 決してぞんざいな態度ではない。 相手が質問してくる限り丁寧に答え続ける。 表情を大きく変えることもなく、 ほんの少しだけ笑顔を交えながら淡々と話している。 2002年、日韓ワールドカップが終わった直後から注目を集めた。 その年にJリーグ最優秀新人賞に選ばれ 日本代表チームにも選ばれる。 プロになる前に受けた警告は1回だけ。 しかも味方選手の責任を主将として肩代わりしたものだった。 そんなエリートの好青年は生き様を変えずに15年過ごしている。 だが周囲は気付いていなかったかもしれないが 心がささくれ立ったこともあったそうだ。 それでも家では辛さを見せなかったという。 見た目が変わらないのは 「髪型が変わらないのは大きいかもしれませんね」という。 でもそれだけではない。 感情の揺れが少ないことや いつも配慮の