ブックマーク / souichicolumn.hatenadiary.jp (25)

  • 2300年前の学者が残した「1万ページ」の論文集・アリストテレス全集 - そういちコラム

    今週のお題「棚の中身」 下の写真は私の棚にある『アリストテレス全集』(全17巻、岩波書店、1968年~73年)。アリストテレス(前384~前322)は古代ギリシアの大哲学者。おおまかに2300年前の人。 この全集は今から30数年前、若いサラリーマンだった頃に古書店で買いました。全巻セットで6万円くらい。でも(もちろん)全部読んでいるわけではありません。パラパラめくったり、拾い読みをしただけです。 このを買った当時、私は月に100時間を超える残業をしていました。 今でいえばブラックな職場ですが、残業代はちゃんと出た。独身の私は自由に使えるお金がそれなりにあって、そのお金を、を好きなだけ買うことに使っていました(若い頃からが好きでした。おもに世界史・社会関係の)。 6万円の全集も、夜勤明けに昼間の古書店街をぶらついたときにみかけて、ぱっと買ったのです。あの頃は、経済的にも心理的にも

    2300年前の学者が残した「1万ページ」の論文集・アリストテレス全集 - そういちコラム
  • エントリーシートは音読して暗記する・エントリーシートは自分のために書く - そういちコラム

    私そういちは、もともとは会社員でしたが、今は「世界史研究」の看板を掲げ、その方面での商業出版などの実績もあります。そして、じつはそれなりに経験のあるキャリアカウンセラーでもあるのです。 私の専門は、学生さんや卒業後間もない若い方の就活支援です。 9年ほどその関係の組織に属していたことがあり、何千人もの学生さんの相談をお受けしてきました。また、何百もの企業の人事の方にもお会いしました。 そして、このブログとは別に 親と教師のそういち就活研究所 というブログ (はてなブログ)も開設しています。 今回は、面接やエントリーシートについて、私が就活ブログで述べていることの一部を簡単にお伝えします。 *** まず、面接で話すのが苦手な人は、「自分の書いたエントリーシートを何十回も音読して暗記する」ということをやってみてください。 それこそが、面接が苦手な人にとっての上達の第一歩です。これによって、まっ

    エントリーシートは音読して暗記する・エントリーシートは自分のために書く - そういちコラム
  • 戦争という破壊がもたらした平等化 - そういちコラム

    歴史学者のウォルター・シャイデルによる、世界上のさまざまな「破壊がもたらした平等化」を扱った『暴力と不平等の人類史』(東洋経済新報社、2019年、原著2017年、鬼澤忍・塩原通緒訳)というがあります。 そのでは、アジア太平洋戦争による「平等化」に1章が割かれています。シャイデルによれば「日は、戦争由来の平等化の教科書的な事例」だそうです。 第ニ次世界大戦前夜の時代、日も欧米も、今の私たちの感覚では激しい格差社会でした。 経済史の研究者・森口千晶さんのレポート(『週刊エコノミスト』2014年8月12・19日合併号所収)によれば、1930年代(昭和戦前期)の日では「成人人口の上位1%」の限られた富裕層が、全国民の所得の2割ほどを得ていました。 そしてこの「1%」の戦前の富裕層の所得の約半分は、金融資産や不動産からの不労所得です。 しかしこの「1%シェア」は、2010年頃だと1割ほどに

    戦争という破壊がもたらした平等化 - そういちコラム
  • 「シン・ウルトラマン」をみた・社会の変化がゆっくりになっている - そういちコラム

    映画シン・ウルトラマン」をみてきました。いろんな評価があるようですが、私は楽しい時間を過ごすことができました。50代後半の、初代ウルトラマンに夢中になった世代だからでしょう。 あの映画は、そういう世代のための「ウルトラマン祭り」です。「世界に向けて」とか「メッセージ」「人間ドラマ」などはあまり目指すことなく、演出や俳優の演技も含めた現代の技術で、製作者が子どもの頃に夢中になった世界を再構成したのです。 この映画と同じコンビ(樋口真嗣監督、企画・脚など庵野秀明)による「シン・ゴジラ」は、「ゴジラというあり得ない存在が、もしも現実社会に現れたら」というSF的シミュレーションが大事な要素でした。 しかし「シン・ウルトラマン」は、怪獣や宇宙人が「あり得ない」存在なら、それを受けとめる人間社会(政府組織や怪獣退治の専門チームなど)も現実離れしたファンタジーになっています。 もちろん、大人がみる映

    「シン・ウルトラマン」をみた・社会の変化がゆっくりになっている - そういちコラム
  • ムーミンの誕生とフィンランドにおける戦争 - そういちコラム

    フィンランドというと、「ムーミン」「北欧デザイン」「ノキア」などが思い浮かぶくらいで、その歴史について、私たちはふつうはほとんど知りません。 でも最近はウクライナ戦争の影響でNATO(北大西洋条約機構)への加盟がすすめられていることや、首相の来日で注目され、歴史などの解説をマスコミ報道やインターネットの記事でみかけます。 *** フィンランドは、ロシアドイツという2つの大国のはざまで苦難を味わった国です。 「ロシアドイツのはざま」ということは、ほかの北欧諸国にも共通しますが、とくにフィンランドはロシアと直に国境を接するので、「はざまの国」として大変な目にあっています。 フィンランドは中世からスウェーデン王国に支配されていましたが、1808年にロシア帝国が攻めてきて、その支配下に置かれました。 その後1917年にロシア帝国が革命で倒れたのを機に、独立を果たします。 しかし、その独立は第二

    ムーミンの誕生とフィンランドにおける戦争 - そういちコラム