自らを「天の邪鬼」と語る平林奈緒美氏。学生時代からさまざまな紆余曲折を経て、資生堂というメーカーからデザイナーとしてのキャリアをスタートし、現在はフリーとして活躍している。 自分がカッコいいと思ったもの、自分の好きなものを徹底して追求し続ける姿勢は、個性的で、しかも求心力のあるクリエイティブに結実している。 第1話 「アウトロー発本流へ」 人と同じはイヤだという天の邪鬼の発想 幼い頃から、みんなが群がるものに対して、そっちには行きたくないと思う“天の邪鬼”的なところがありました。 美大進学のために御茶の水美術学院に通っていたときも、周囲はデザイン科に行きたいという人ばかりだったけれど、私は彫金や鍛金などの工芸をやろうと思っていたのです。今になって思えば、その頃からグラフィックデザインは好きだったんですけどね。 結局、武蔵野美術大学の空間デザイン科に進んだのですが、それも理由らしい理由はあり