菅前首相は２２日、民主党政策調査会の会合で講演し、電力会社の発電部門と送電部門を切り離す「発送電分離」について、「発電・送電・配電全部が一体型というのは根本から変えるべきだ」と述べ、必要性を強調した。 原子力発電所事故の対応などで対立した東京電力については、経営体質を「お山の大将」と批判した。電気の周波数が東日本と西日本で５０ヘルツと６０ヘルツに分かれていることに関し、「首都圏を握る東電が、西からの攻勢を断固止めるのが目的かなと思った」と皮肉る一幕もあった。

玄海原子力発電所（佐賀県玄海町）の再稼働を巡る「やらせメール」問題で、九州電力は２２日、経済産業省への最終報告書の再提出を見送る方針を決めた。 自社の第三者委員会が指摘した佐賀県側の関与については受け入れられないと判断した。九電は再提出せずに問題の幕引きを図る考えだが、枝野経産相は九電の対応を厳しく批判しており、事態の収束は難しい状況だ。 九電は、最終報告書を再提出しない代わりに、第三者委の提言に基づく再発防止策の取り組み状況に関する文書をまとめ、２２日午前、深堀慶憲副社長が経産省を訪れて提出した。 文書では「第三者委の最終報告書を真摯(しんし)に受け止め、再発防止、信頼回復に向けた取り組みを進めていく」とした上で、原子力部門の閉鎖性を改善するため、来年７月をメドに火力発電本部と組織統合することなどを新たに盛り込んだ。