混迷を深める中東情勢についてスイスで開かれている世界経済フォーラムの年次総会、通称「ダボス会議」に参加している著名な歴史家のニーアル・ファーガソン氏に話を聞きました。 Q1. ことしのダボス会議は「分断された世界における安全保障と協力の実現」がテーマの一つ。これをどう見る? A1. 世界はますます二極化している。 ここスイスでも、冷戦のような状況になってきていることを実感している。 世界は多くの人が考えているより不安定な状況に置かれている。 Q2.イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が続いている。中東情勢について、どう見るか? A2. 中東の危機は初期段階にある。 イスラエルに対するハマスの攻撃は序章に過ぎず、本番はレバノンのヒズボラから始まり、イスラエルの国防軍と、ハマスよりはるかに優れた武力を使えるヒズボラとの間で、必然的に起こる紛争だと思う。 アメリカがイランを抑止しない限り、この