「私は、子どもたちが死んでいくのを見るために医者を志したわけではありません。毎日、打ちのめされ、もう限界です」 ガザ地区南部ラファの病院で新生児医療を担当している医師の言葉です。 去年10月に戦闘が始まって以降、ガザ地区で生まれた赤ちゃんは2万5000人以上。その新たな命、そして母親たちが置かれている過酷な現状をNHKガザ事務所のカメラマンが取材しました。 (エルサレム支局長 田村佑輔/ガザ事務所 サラーム・アブタホン) “8分に1人”生まれるガザ地区 NHKガザ事務所のサラーム・アブタホンカメラマンが向かったのは、ガザ地区南部のラファにあるエミレーツ病院。 ガザ地区南部ラファのエミレーツ病院(2024年2月) イスラエル軍の攻撃から逃れてきた多くの避難者が身を寄せるラファでは現在、150万人近くが暮らしています。稼働する病院は少なくなっていて、産婦人科を備えるエミレーツ病院には診察を待つ