財務省が8日発表した5月の国際収支(速報)によると、貿易や投資による海外とのお金のやりとりを示す経常収支は4カ月連続で黒字となり、経常黒字額は5228億円だった。海外から日本に入ってくる特許使用料が増えたことが、日本の稼ぎを押し上げる大きな要因になった。 特許権、著作権など「知的財産権等使用料」で、5月に海外から日本が受け取った額は4810億円。前月から84%増えた。日本から海外に払った使用料を差し引いた収支額の黒字は2754億円で、2年2カ月ぶりの高水準となった。 日本企業の海外展開が進み、自動車や医薬品などの分野で、海外子会社から受け取る特許使用料が増えているとみられる。SMBC日興証券の宮前耕也氏は「日本の技術の優位性を保てれば、稼ぐ力につなげられる」という。海外子会社からの配当収入などを反映した「第1次所得収支」も1兆4779億円の黒字で、5カ月続けて1兆円を上回った。
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