ノートルダム大聖堂火災、単に文化財建築が焼失したという以上に、かけがえのない人類の軌跡が、跡かたもなく消えてしまったことは、どれだけ悔いても悔い切れません。 前回(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56140)、私がそう記したのには明確な理由があります。 今日、私たちが普通に親しむ「ドミソ」などの3和音は、このノートルダム大聖堂という建物が建設されたことで生まれました。 専門の音楽史の本を開けば必ず記されている「ノートルダム楽派」についてお伝えします。 私たちの研究室は2017年以降、ノートルダムでの演奏評価予算を日本学術振興会に出し続けていましたが、今年も通りませんでした。 2016年まで、バイロイト祝祭劇場という別の重要な建物についての仕事が一段落した後、私にとって原点でもあるノートルダム=西欧ポリフォニー成立の原点に、研究室としてアプローチしよ