品川~名古屋間を40分で結ぶリニア中央新幹線の建設工事で最難関工区と目される「南アルプストンネル新設工事」の山梨県区間が3月13日、大手ゼネコン(総合建設会社)などに発注された。ゼネコン各社は施工方法や工費などを盛り込んだ見積書を8月までに東海旅客鉄道(JR東海)に提出。その中で、最も優れた提案を行った会社が正式契約を得る予定で、総事業費5兆5000億円に上る「今世紀最大の国家的プロジェクト」(鹿島建設幹部)の工事が具体的に動き出す。 この南アルプストンネルは、標高3000m級の山々が連なる赤石山脈の真下を貫く全長約25kmの山岳トンネルだ。陸上の鉄道トンネルとしては東北新幹線の八甲田トンネルや岩手一戸トンネルなど、より長いトンネルがすでに供用されており、長さ自体は目新しいものではない。 このトンネルが着工前から難工事と喧伝されるのは、日本列島を左右に分断する大活断層「糸魚川静岡構造線」を
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