『レイシズムを解剖する: 在日コリアンへの偏見とインターネット』(高 史明/勁草書房) 近年の日本では深刻な社会問題の一つとなっているレイシズム(人種差別主義)。この問題を扱う書籍は多く発表されているが、ツイッターで人気の社会心理学者による『レイシズムを解剖する: 在日コリアンへの偏見とインターネット』(高 史明/勁草書房)は、今までにないタイプの一冊だ。 まず一つ目の特徴は、本書の研究法が、数値を用いて分析を行う「定量的研究」であるということ。たとえばツイッターにおける在日コリアンへのレイシズムの分析においては、10万件を超えるコリアン関連のツイートを抽出して実施。そのため、レイシズムの実態が“数値”として可視化されているのだ。 レイシズムの問題は、印象論で語ったり、個々のケースを拡大解釈して考えたりしてしまいがちだが、それを社会科学的・数値的に分析している点が、本書の新しさ。たとえば「