日本らしい風景のひとつとして外国人からよく指摘されるもののひとつに電柱がある。日本にはいったい、どれほどの電柱があるのか、経営コンサルタントの大前研一氏が現状を報告する。 * * * 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、都市景観の向上や災害時の救援・避難路確保などを目的とした「無電柱化」の議論が進んでいる。電柱の新設を原則的に禁じ、既存の電柱の撤去も進めることを目指す「無電柱化推進法案」を自民党がまとめ、議員立法で国会に提出する準備を整えているのだ。 しかし、この問題は「国任せ」では永遠に解決しないと思う。そもそも無電柱化は、国が1986年度から3期にわたる「電線類地中化計画」、1999~2003年度の「新電線類地中化計画」、2004~2008年度の「無電柱化推進計画」に基づいて取り組み、現在も「無電柱化に係るガイドライン」に沿って推進している。 にもかかわらず、国土交通