歴史的な干ばつに見舞われている米ロサンゼルス市で、深刻な水不足に対抗する「奇策」が導入されている。貯水池から水が蒸発するのを防ぐため、市当局がソフトボールほどの黒いプラスチック製ボールを大量に湖面に浮かべた。太陽光を遮ることでアオコなどの発生も防ぎ、市民の貴重な飲み水の品質を保つ効果もあるという。 米メディアによると、ガルセッティ市長らが10日、市最大級のロサンゼルス貯水池に2万個のボールを投入。東京ドーム約15個分の広さにあたる約71万平方メートルの湖面は、計9600万個の黒いボールで埋め尽くされた。ボールは無害なポリエチレン製で、10年間は使い続けられる。年間で湖水の総量の約1割にあたる110万トンの蒸発を防ぐ効果があるという。 ボールの費用は総額3450万ドル(約43億円)で、複数の地元企業が負担。広大な湖面をカバーなどで覆うと8倍以上の費用がかかるため、安上がりという。市内のほかの