(大西 康之:ジャーナリスト) 10月30日午後2時30分、山手線の浜松町駅に着いた。白状すると、この駅に来るのは久しぶりである。去年(2017年)までは毎週のように通っていた。なにせ、大炎上していた東芝とシャープの東京本社があるからだ。両社とも一時は「ご臨終か」という瀬戸際まで追い込まれたが、シャープは台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入り、東芝は虎の子のメモリー事業を売却して一命を取り止めた。 喉元過ぎればなんとやら。火の無いところに無理やり煙を立てるわけにもいかないので、自然と浜松町から足が遠のいていたのだが、この数カ月、お友達のアナリストやら金融機関の人やら記者やらが、やたらと「シャープがすごい」と言い始めた。何がそんなにすごいのか。この目で確かめるべく、2018年度第2四半期の決算記者会見にやってきたわけである。 野党記者は絶滅危惧種 少し早めに着いたので22階の記者会見場は