この数ヶ月間、時間を見つけては日本語のおさらいをしている。内容は以下の如く――漢字読み書き、四字熟語、諺、慣用句、同音異義語、同訓異字語である。 どうしてこのようなことをするのか。最近、自分の母国語の能力が徐々低下していることに気付いたから――先日、日本にいた当時に書いた雑文、論文の類を読み返した。その結果、当時のほうが現在よりも多くの語彙力を持っていたことに気付き、愕然とした。 母国語の語彙の貧困化は、自分の世界を狭め、さらには抽象的思惟の遂行において困難さを引き起こすように思える。それを実際に我が身で体験している私としては、母国語のある程度の語彙力を保っておくとは、決して小さくない問題である。 「外国にいるから、日本語を忘れた」という弁明をこれまで、ドイツ在住の多くの日本人から聞いた(例えば、漢字読み間違えなどする時)。しかし、私はこのような弁解をしたくはない。母国語を忘れることは、私