特別展「あやしい絵展」が、大阪歴史博物館にて、2021年7月3日(土)から8月15日(日)まで開催される。 「あやしさ」──「美しさ」には括りきれぬ魅力水島爾保布《谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』(春陽堂、大正8年)挿絵》大正8年(1919年) 弥生美術館[後期展示(7月28日〜8月15日)]政治・経済・文化などの多岐にわたる領野で、西洋から知識や技術がもたらされた明治期。美術も例外ではなく、西洋美術の技法の本格的な導入・展開にともない、多彩な美術潮流や制作の実践が起こった。そうしたなかで、退廃的・妖艶・グロテスク・エロティックといった言葉で形容できる表現も生まれることとなったのだ。 甲斐庄楠音《横櫛》大正5年頃 京都国立近代美術館[後期展示(7月28日〜8月15日)]特別展「あやしい絵展」では、幕末から昭和初期にかけて制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿絵などから、「美しさ」には括れない