シャープ元社長、片山幹雄技術顧問(フェロー)の転身が業界で話題だ。日本電産が10日1日付で副会長執行役員に迎え、新設の最高技術責任者(CTO)も兼任、次世代技術の開発を統括する。同日付で会長を兼務する日本電産の永守重信社長兼最高経営責任者(CEO)は、古巣で液晶事業への過剰投資で経営危機を招いた片山氏の「挫折経験」を買ったといわれるが、シャープ社内からは「3千人も希望退職させておいて一人だけちゃっかり再就職か」と恨み節も伝わってくる。(松岡達郎、織田淳嗣) ■口説き文句は「やってみなはれ」 「(シャープに)いたって邪魔でしょ。こんなおっさん(笑)、陰気臭くディスプレーやっててもしかたない」 日本電産が今回の人事を発表した8月5日、自宅前で報道陣に囲まれた片山氏は、いつになく饒舌だった。 片山氏によると、7月下旬、京都で永守社長と面会し、初対面だったが「やってみなはれ」と口説かれて転