クリエイター同士が共同で何かを生み出す時、大事なのは綿密な打ち合わせではなく、お互いに対する信頼感だと言えよう。赤犬の濱本大輔と、元The Miceteethの藤井学、次松大助によって結成されたインストトリオ=MaNHATTANと、彼らのデビューアルバム『Far Trance』のジャケットを手がけたデザイナーの大原大次郎は、その出会いこそ偶然だったものの、お互いの作品に対する信頼感をはっきりと持っていた。あれこれ言わずに大原が自由にイメージしたデザインに対し、MaNHATTANのメンバー全員が興奮し、納得できていたのは、そこが一番の理由だろう。そして、その信頼の背景には、それぞれの「余白」に対する意識の近さがあったようだ。 個人がむき出しになるソリッドな編成でやるのは意義があるなって思った。(藤井) ―まずは、お互いがどう知り合ったのかを教えてください。 大原:最初は大さん(濱本)と、沖縄